豆と発酵で、世界を変える。

Changing the world with beans and fermentation

私たちは、農作物と微生物を活用した発酵を基に、
新しい食の「カタチ」を考え、提案し続け、
世界中の人々の健康的で持続可能な生活を実現していきます。

お知らせ

News

  • 東北大学ベンチャーパートナーズ株式会社のTHVP-2号ファンドからJ-KISSによる資金調達を実施しました
  • 東北大学との共同研究契約を締結しました
  • ハッコウホールディングスを設立しました

独自技術について

Our Technology

長年の研究開発により生まれたアラネア®発酵

私たちは長年にわたる研究により、豆ごと発酵させる技術を、特許技術(特許第389014号)のライセンスを受け、さらに応用させることで考案。そしてハッコウホールディングス傘下の株式会社ルピナスにおいて、この発酵技術を研究・発展させて、豆類の旨味成分(グルタミン酸)の向上や苦み成分(アルカロイド)の減少など生食にも加熱調理にも適した状態変化を実現させました。
この独自の発酵技術を、私たちは「アラネア®発酵」と名付けて、製品開発を行っています。アラネア®発酵により、食べやすく活用しやすいのに栄養価は損なわない、こだわりの発酵豆食品「醸豆(JYOZ/ジョウズ)」が生まれました。

少量の水で栽培可能な「食用ルピナス豆」の選抜・育種・栽培に成功

ルピナス豆とは、地中海沿岸地方と南北アメリカ、南アフリカなどに200種以上が分布する豆です。
大豆と同等のタンパク質量・窒素肥料がほとんど不要というだけでなく、大豆の3分の1という非常に少ない水の量で育つという特性があります。
日本ではアルカロイド(苦味・毒性成分)の含有率がネックとなり輸入規制がありましたが、4年間の選抜・育種により、食用ルピナスの栽培に成功。
私たちは日本で初めて、ルピナス豆の低アルカロイド品種の開発に成功しました。

開発ストーリー

Our Story

豆と発酵に人生を賭ける
ハッコウホールディングス株式会社代表の入海健はビジネスマン人生のほぼすべてを「豆と発酵」の可能性を実現するためにささげてきました。なぜそんなに情熱を燃やし「豆と発酵」に取り組むのか。入海は「豆と発酵」でどんな未来を思い描いているのか。
そのキッカケはほんの小さな不安からでした。
食料の未来への不安

明治大学農学部で農芸化学を学んだ入海は卒業後渡米し、テキサス大学で心理学修士課程を修了します。
2006年に帰国し、機械系メーカーで3年間勤務したのち、バイオ・化学・食品分野の特許調査会社へ転職しサラリーマンとして着実にキャリアを積み重ねていました。
そのころに知り合ったのが、当時船井総研に在籍していた田中友一郎でした。

どうにも馬が合ったというのでしょうか。入海は年上で会社も違う田中を慕い、漠然と感じていた「不安」と「不満」をぶつけます。
それは言葉にすると「一般の日本人は食にこだわるわりに、食料の未来に意識が薄い」というものでした。

もともと明治大学で農学部にいた入海は食料生産、農業に対して日頃から意識することが多かったと言います。そんな入海がテキサス大学で触れ合ったアメリカ人たちは、当時すでに未来の食糧問題に高い意識をもっていたそうです。
そういった経験を経た入海が日本で過ごすうちに、多くの日本人が持つ「食料・農作物はあって当たり前」という感覚の危うさに漠然とした不安を感じ始めていたのです。

当時、入海からそういった話を聞かされた田中は入海の感じる問題意識を解決するには「自分でアクションを起こすしかない」と感じ起業を勧めたと言います。

しかし、その時の入海には「何をやれば不安を安心に変えられるのか」のイメージがつかめず起業へ踏み切る決断が出来ずにいました。

大豆発酵食品が持つ可能性への気づき

何か自分に出来ることはないか?そんな焦りにも似た気持ちで過ごしていた入海は、母校明治大学で発酵食品学を教わっていた加藤英八郎先生が講演するという情報を聞き、ふと参加してみることにしました。

そこで聞いた講演は「すべてが繋がるような衝撃的な経験だった。」と入海は振り返ります。

加藤先生が講演したハイビスカスの葉に棲む微生物を大豆に付着させて作る「テンペ」に関する特許技術を事業化する産学連携(TLO)の内容に感銘を受けた入海は、すぐに加藤先生に連絡を取り、詳しく教えを請いました。

大豆は一般的には消化が悪い食材ですが、加藤先生の研究する発酵技術により栄養価を高め、消化吸収を良くして、さらに食味まで向上させるという素晴らしい研究だったのです。

加藤先生との出会いで大豆・豆類を発酵させることによる可能性にあらためて気がついた入海はこれまで感じていた「不安」を「豆類を発酵させた食品」で解決し「安心な未来」へ繋げられるかもしれないと確信を得て、いよいよ起業を決断したのです。

挫折と試行錯誤の日々

2011年に株式会社テンペストフーズを創業した入海は大豆を皮ごと発酵させることで栄養価が豊富な食品として「テンペスト」の開発に向けて動き出しました。

しかし「発酵技術」は量産化・安定化させることが非常に困難で、試行錯誤の繰り返しの日々が数年間続くことになります。

サヤから外した大豆には皮があります。この皮は外敵から身を守るため固く、発酵しづらい性質があります。「テンペ」はこの皮をむいて発酵させるものですが、入海は「皮ごと発酵させる」という方法にこだわりぬくことにしました。なぜなら皮ごと発酵させると、皮無し発酵よりも食物繊維や各種アミノ酸などの栄養価が高くなり、さらに美味しくなることがわかっているからでした。

ところがこの「皮ごと発酵させる」ことを、毎回同じように安定して発酵させるにはいくつものの技術的な課題をクリアする必要があったのです。

失敗を何度も繰り返す中で、どうにか少量ではあるものの安定的に発酵させる方法を確立し、2017年にはものづくり補助金の採択もあって、特殊な発酵槽を開発することで、ようやく入海がこだわり抜いた大豆を皮ごと発酵させた製品「テンペスト」を完成させることに成功しました。
この時すでに創業からすでに6年が経っていました。

ルピナス豆との出会い

大豆を使った発酵食品「テンペスト」を完成させたのですが、その過程で「大豆」の限界も知ることになりました。
日本では非常に親しまれている「大豆」ですが、欧米ではほとんど食べられておらず、むしろ大豆独特の風味が敬遠されているという食文化の違いがあったのです。

大豆食文化はアジア圏が中心で欧米では馴染みがないと知った入海は大豆以外の豆類の情報を集め、積極的に試作に取り掛かりました。「ひよこ豆テンペスト」を作ったのもこの頃のことです。

そんな折、知人がヨーロッパ旅行中に食べた料理の写真に写っていた「見慣れない豆」が目を引きました。その豆は海外、特に地中海地方で古くから良く食べられている塩ゆでルパン豆=「ルピナス豆」だったのです。

調べてみるとルピナス豆は大豆特有の風味・クセがなく非常に美味しいとされ、さらに大豆と同等のタンパク質量があり、大豆の約3分の1の水で育つ、など素晴らしい特長を持っている豆だということがわかりました。

早速ルピナス豆を手に入れようとしたところ、驚きの事実が発覚します。なんと日本では食用として輸入が認められていないというのです。その理由は原種に近い品種に含まれるアルカロイド(苦み成分)の含有量が多いという理由でした。
諦めきれない入海がさらに調べたところ、日本国内で栽培したルピナス豆に対しての規制はありませんでした。つまり、国内で「低アルカロイド品種」を栽培して食用に流通させるのであれば問題ないということです。しかし、そもそも日本国内に「食用ルピナス豆」が存在しませんでした。

そこで入海はどうにか手に入れたわずかなルピナス豆を自宅のベランダで栽培しながらすこしずつ種を増やし、大学や農業技術センターの協力を得ながら育種・選抜を繰り返し品種改良に取り組みました。そうしてついに、国内初の食用低アルカロイド品種の「食用ルピナス豆」を4年がかりで開発することに成功しました。

持続可能な取り組み(サステナビリティ)へのチャレンジ

2024年3月これまで取り組んできた複数のビジネスを統合・再編し、あらたにハッコウホールディングス株式会社を設立しました。
加藤先生の研究を基礎として、試行錯誤の上で安定化させた発酵技術を「アラネア®発酵」と名付け、「アラネア®発酵」によって生み出される製品を醸造した豆=醸豆(JYOZ/ジョウズ)として世に送り出すことにしました。

大豆で作った醸豆(JYOZ/ジョウズ)「テンペスト」を製造してきたノウハウを活かし、国産化ルピナス豆を使った新たな醸豆(JYOZ/ジョウズ)の開発にいよいよ乗り出します。
また「テンペスト」でも新しい取り組みにチャレンジします。「テンペスト」をより多くのご家庭で食べ、親しんでいただくために加工食品の開発をスタートしています。
神奈川県葉山町に「葉山工場」も新たに契約し、拡大する需要への供給力を強化しています。

2024年には東北大学との共同研究契約を締結して新たなプロジェクトが動き出しました。
ルピナス豆を栽培することでCO2の298倍の影響があると言われる温室効果ガスN2O(一酸化二窒素)の削減を行い、CO2と同様にブロックチェーンを用いてクレジット化させる取り組みがスタートしています。(国際特許出願中)

N2Oクレジットで得られる収益をルピナス栽培農家へ還元することで、農家の収益性を向上させて、農家が持続的に生産し続けられるビジネス環境を作りながら未来に向けて「安心して食べられる高栄養価な食品」を供給する。という目標へいよいよ踏み出すことになりました。

豆と発酵で世界を変える

2011年に志を立ててから13年目になる2024年。ようやく「不安」を「安心」へと変えていくためのスタートラインに立つことが出来ました。
これまで失敗と挫折を繰り返しながら研究と開発に試行錯誤を続け、気が付けば13年があっという間に過ぎていました。

これまで協力してくださった方々に感謝し、いよいよ世界の社会問題として顕在化してきた食糧事情・タンパク質危機に役立てる製品群を提供してまいります。

豆類は世界に18,000種あると言われています。その中で食用に供されるものは70~80種程度です。豆類の持つ豊富なたんぱく質や食物繊維、栄養価については注目されているにも関わらず、そこまで多くの種類が食用とされていないのは、多くの豆類は生食に適さず、調理・加工に手間がかかるという点があると考えています。

ハッコウホールディングス株式会社の培った「アラネア®発酵」はアミノ酸量を増やし旨味成分を増やすことがデータで証明されています。
これまで育て上げた豆と発酵技術を使って「安全で」「安心で」「美味しく」「栄養価が高く」「手に入りやすい」5拍子そろった食品を提供することで、世界の未来を変えていく。
創業者の入海健の思いと共に世界中の食卓を豊かなものにしてまいります。

グループ会社情報

Group Company

米豆麦造り(ことばづくり)(株)
豆を中心とした機能性食品の販売を軸に、グループ全体のブランディング、企画などのコミュニケーション領域を担う。
(株)ルピナス
次なる豆タンパク質源である「ルピナス豆」の独自品種保有をし、ルピナス豆の育種・研究開発を担う。
(同)醸オープンラボ
農家相互支援コミュニティを構築する。農業領域の研究および生産技術の共有・学習を軸に、農業法人として農作物の生産を行う。
(株)テンペストフーズ
「アラネア®発酵」の安定化を実現し、「醸豆(JYOZ/ジョウズ)」の製造と、醸豆(JYOZ/ジョウズ)を活用した販売商品の開発・製造を担う。
(同)アラネア
農業収益化支援を軸に、食品・農業廃棄物のアップサイクル技術を用い、製品製造のベースとなる基盤を構築する。

ハッコウホールディングスはグループ企業とともにサステナブル経営に取り組みます

ごあいさつ

Message

入海 健

2016年に食用豆の利用促進を目指して国連で国際まめ年が制定されたことをご存じでしょうか?
世界的な食糧問題に対して豆類の利用に着目したことは非常に有意義なことでしたが、制定から約10年、世界的に見て豆類の利用が進んでいるかというと私はそこまで進捗が思わしくないと感じています。

その理由として、豆類は一般的には消化が悪くBean Flavor(豆臭さ)と表現される独特の風味が課題として捉えられることが多いことが挙げられるのですが、私はこの課題を「発酵」という工程により解決出来ると考えています。
「発酵」させることで消化が良くなり、また味に深みが増し旨味が増し、保存性が増します。つまり、利用しやすく、美味しくすることが出来るということです。美味しければ世界中でより多くの人が食料として豆類を召し上がっていただけると信じています。

私達ハッコウホールディングスは「豆と発酵で世界を変える」というテーマで持続可能かつ人類の健康問題の解決に寄与できると考えました。

本事業の着想の原点は、私の卒業大学である明治大学の前加藤英八郎講師の研究室で研究されていた大豆の発酵技術です。
加藤先生の研究をベースに豆類に含まれるたんぱく質やアミノ酸、食物繊維などを余すことなく利用し、製造工程での残渣を極力排出しないため「皮ごと発酵」させることにこだわり抜いて改良を重ね完成したのが独自の発酵技術「アラネア®発酵」です。
豆類を「アラネア®発酵」をさせることで生み出される食品が、醸造した豆という意味の醸豆(JYOZ/ジョウズ)になります。
醸豆(JYOZ/ジョウズ)の第一号製品が大豆を原料とする「テンペスト」です。シート状にまとまっていて食感もあり、様々な調味料とも相性が良い自信作ですので、ぜひ皆様に味わっていただきたいです。

さらなる醸豆(JYOZ/ジョウズ)の原料となる豆を探していく中で出会ったのが「ルピナス豆」という豆です。
「ルピナス豆」は大豆と同等のタンパク質を含み、かつ大豆の三分の一程度の水で栽培できる優秀な豆でした。
「ルピナス豆」は大豆アレルギーに悩む多くの方に対してアレルゲンを含まない高たんぱくで、高栄養価で美味しい豆として喜んでいただける豆類となる大きな可能性を秘めています。その可能性を確かなものとするため農業試験センターの協力を得ながらより良い品種を作るため4年前から地道な育種を続けています。

さらに豆類は根粒菌と共生していて、その中には温室効果ガス(N2O)を下げるものがあります。我々は豆類の可能性に対する研究として2024年3月から国内の大学と共同研究契約を締結し、豆類の社会貢献側面についても追及しています。

こういった取り組みを通じて50年後、100年後の世代にも、地球は青くそこに住む人類が健康的に過ごすことが出来る、そんな未来の実現に「豆と発酵」が貢献できると考えています。

まだまだ小さく未熟な私達ですが弊社の事業を通じて少しでも皆様のお役に立てるように尽力していく所存ですので、当社グループをご理解、ご支援いただけますようお願い申し上げます。

2024年7月 
ハッコウホールディングス株式会社

代表取締役CEO 入海 健

入海 健

会社概要

Outline

企業名
ハッコウホールディングス株式会社
所在地
神奈川県三浦郡葉山町上山口2178-2
代表者
代表取締役 入海 健
設立
2024年3月8日
資本金
100万円
主な事業
・ルピナス豆の研究 / 栽培
・プラントベースドフード発酵食品の製造および販売
入海 健
代表取締役 CEO入海 健
古座野 智弘
執行役員 CTO古座野 智弘
山下 薫男
執行役員 CMO山下 薫男
Starrett Nicholas
執行役員 GMOStarrett Nicholas